|
接種率74%実は39%
狂犬病予防法では、犬の登録と年1回の予防接種が
飼い主に義務付けられています。
厚生労働省の調査では、2005年度の登録頭数は約653万頭で、
予防注射接種率は74%。
だが実際の飼育頭数は、ペットフード工業会調査の推計で、
同年が約1306万8千頭と倍にのぼり、接種率は約37%にまで下がります。
かつては、100%近かった狂犬病の摂取率が
飼い主のモラルの低下により接種率が激減し、
狂犬病は過去の感染症とは言い切れない事態となっています。
世界保健機関(WHO)は、狂犬病のウイルスが進入した場合、
その国での感染拡大を防ぐことができる接種率を『70%』以上としています。
昨年12月に狂犬病臨床研究会が設立され、
医師も獣医師も大変危機感をもっているそうです。
ワクチンが唯一の対策
狂犬病は、発症したら現代医学をもってしても助けられない、
致死率ほぼ100%の恐ろしい病気です。
対策はワクチン接種しかありません。
もっとも良いのは、事前にワクチンを接種して、免疫を作っておくこと。
初めての犬には免疫の抗体価を高める為、
2回打ったほうがよいとされています。
また、免疫がなくても発症前の潜伏期に
ワクチンを接種して免疫を作れば撃退できます。
噛まれた場所が脳から遠いか近いかで潜伏期間は違うが、
その間にワクチンを接種すれば大丈夫。
予防でも噛まれた後の処置でも、ワクチンが唯一の対策です。
世界で狂犬病がフリー(安全)と思われるのは、日本のほか
一部の国と地域に限られます。
狂犬病は犬だけでなく、全ての哺乳類が感染する病気。
媒介する動物も地域によって異なります。
人の場合も、狂犬病媒介動物に噛まれたら、
即ワクチンを打つようにすることが必須です。
今の日本は、多くの哺乳動物が輸入され、人の交流も盛な状況で、
潜伏期間は狂犬病ウイルスが発見できないので、
検疫をしていてもウイルスを持った人や動物が国内に入る危険は常にあるのです。
人と犬との共生のために
半世紀にわたり日本で発生していないことから、
『狂犬病の予防接種は不要』『普段は家の中にいるから大丈夫』
『忙しいから』という理由で、接種をしない飼い主が非常に増えています。
接種以前に、自治体への登録もしていないため、集団接種の日時を
知らせるはがきも届かない状況。
このような飼い主に対して、私的に怒りを感じます。
確かに発生はしていないけれども、潜在的な危険がある以上、
人と犬・動物との共生社会を実現するためには、
必要なものではないでしょうか?
昨年、フィリピンで犬に噛まれた男性2人が、国内で36年ぶりに発症、
死亡した事件は記憶に新しいものだと思います。
また、中国で犬を飼っている特定地域の住民に対し、
自分で飼い犬を殺すよう命じる通告を出したのも
ごく最近の話です。(※下記参照)
この日本の現状の中、もし犬や人が狂犬病を発症したら・・・
中国と同様、飼い犬を殺せという通告がでたら・・・
ワクチンを打たない飼い主は、
このようなことを考えているのでしょうか。
お互いの安全、お互いの命のために必要な予防接種。
本当の愛情というものはこのような気持ちではないのでしょうか。
狂犬病などの感染症が国内で見つかったときでも、
少なくともうちの犬はワクチンを打っているから安心。
人の場合は、噛まれた時の対処方法を知っているから大丈夫。
このような状況にしてこそ、人とペットとの楽しい生活が
あるのだと思います。
※参照記事
中国・重慶市『飼い犬、自分で殺せ』
中国で狂犬病を巡って騒動に発展し、Webサイト上でも
論争を呼んで、中国各地に広まる可能性もある。
重慶市の長寿区は12日までに、狂犬病対策を理由に、
犬を飼っている特定地域の住民に対し、
自分で飼い犬を殺すよう命じる通告を出した。
地元関係者によると、予防接種を受けた犬についても
対象としている。
重慶市の通告に対し、北京の動物愛護グループなど
全国23の団体・組織は反発、
『非科学的で非道な狂犬病対策』と講義声明を発表した。
重慶市の地元産品の不買を呼びかけているほか、
今月9日には住民数百人が区政府庁舎に押しかけるなど
騒ぎは広がっている。
5月24日に出された通告は、飼い主が当局者に処分を委ねた場合は、
罰金1000元(約1万6千円)以下を徴収するほか、
当局者に抵抗すれば刑事責任を追及すると明記している。
長寿区の鳳城街道過灘村で最近、住民が狂犬病で死亡したため、
同村周辺で飼い犬の一律処分をきめたとしている。
区当局は、今月10日までを『飼い主が自主的に犬を殺す期間』、
同日以降を『当局者による強制処分期間』と規定。
地元のWebサイトには
『かわいそうで殺せない。でも、いずれ見つかり、棒で殴り殺されるだろう』
『誰か、我が家の子犬を助けて』といった書き込みが相次いでいる。
中国では昨年、狂犬病対策を理由に北京市が複数の犬を飼うことを
禁止したほか、雲南省でも一斉処分を実施、欧米などから批判を受けた。
■中国の狂犬病事情■
中国では狂犬病がもっとも死亡例の多い感染症の1つ。
衛生省によると、今年5月に国内で主な感染症で死亡した590人のうち
狂犬病の死者数は201人で、エイズ、結核などを上回り1位だった。
また狂犬病の感染例は、1996年には年間で159件だったのが、
今年は5月だけで247件に上がった。
都市部でペットブームを迎える中飼い主が予防注射を怠り、
行政も適切な対策を講じなかったことが急増の原因をみられる。
|